NYSSMAとは

 

 

NYSSMAとはNew York State School Music Associationの略で、National Association for Music Educationという組織に属する協会です。年に一度、ニューヨーク州全土にて、音楽祭を開催しています。祭りとは名ばかりで、実質は生徒の演奏能力を評価するものです。審判の前で生徒が一対一で演奏するという形で行われます。

 

評価は主にリズム、テクニック、演奏の正確さ、解釈、ミュージシャンシップの観点から行われます。また、長音階(メジャースケール)、新曲視唱(サイトリーディング)によっても評価されます。申請者は所属する小学校、中学校、あるいは高等学校の音楽プログラムを通して申請しなければいけません。

 

NYSSMAには6種類のレベルがあり、その上にさらにAll-Stateレベルが存在します。選曲は各レベルの指定曲から選ぶことになります。All-State レベルにおいては、ピアノ以外の受験者は伴奏者を用意しなければなりません。

 

All-Stateレベルにおいての演奏、それ自体がオーディションとしての役割を果たしており、そこで好成績を収め学区からの推薦をもらうという事が、学区を超えてのアンサンブル/オーケストラへ参加するための必須条件となります。参加が決まった場合、それは大変に名誉な事だとされています。7000名以上の生徒が890席の枠をかけて競い合う、と言えばその熾烈さが伺えるでしょう。100点を取った生徒でさえも、その座を射止められるとは限りません。選ばれた生徒は八つのアンサンブルのいずれかに所属し、11月下旬から12月上旬にかけて毎年行われるNYSSMA冬季コンフェレンス(集会)の期間中に,高名な指揮者を招き、Eastman (Rochester) Theaterにおいて演奏する事となります。

 

Level 6 およびAll-Stateレベルにて好成績を収め、それを大学の申請書に書く事で、芸術活動をアピールする事が出来ます。大学入学申請書の履歴欄に箔が付くという訳です。これらのプロセスを通して、大学受験の一助とするため、NY州に居住する親御様が、子供にNYSSMA、ひいてはAll-Stateを受けさせるというのは、理由の一つではあります。

 

しかし、音楽、芸術活動本来の目的に沿った、例えば、一年を通しての努力を客観的に評価したい、あるいはNYSSMAを一年の明確な目標としてレッスンに励むという形で利用される方達もいらっしゃいます。大多数の方々は点数制を望みますが、実はNYSSMA申請者は評価に点数制を含むか含まないか選択する事が出来ます。点数が必要ない場合は審判からコメントのみを受け取ることができ、その場合はマニュアルにリストされていない曲も含め、レベル別にとらわれる事無く、自由に選曲する事が可能であり、さらにスケール、サイトリーディングも必要ありません。自分のペースで進みたい方、点数に左右されたくない方はこちらを選ぶこともあります。